中古住宅を含む不動産の流通・リフォーム市場の拡大による業界への影響とは Vol.2
- 不動産売買不動産投資
- 2015.12.14
革命が必要なほど深刻化している「中古不動産市場」
現在の中古不動産取引では、売主や宅建業者から物件に関する情報開示が不十分であると言われている。
新築物件を売買する際には設計図書も存在し、現行法に適合している等を証明する「検査済証」も交付されるが、中古不動産の取引ではそれらの情報が残っていない場合も少なくない。
本来、宅建業者が行うべき業務とは、公正な不動産取引の実現のために必要な情報の整備・検討・調査を行い提供し、安心・安全な取り引きを実現されることである。
しかし、これまでの宅建業務においては、その重要な部分が不足しており、消費者が本来のニーズに合致した物件を選択しにくい状況にあることが、中古住宅取引を阻害する要因となっている。
期待が膨らむ中古不動産流通・リフォーム市場
リフォーム市場の拡大に期待をしている人は少なくない。
しかし、地震多発国における耐震性の問題や少子高齢化、首都圏の人口減少、また、建物の高性能化と寿命の長寿化などを考慮すると、今後大幅に増加すると考えることは難しいと思われる。
ただ、既存建物数の増加、1棟当たりの規模の大型化、景気の拡大による法人や個人所有建物についてのリフォーム需要があるの確かだ。
さらに、リノベーション需要の拡大・普及、高齢者の増大に伴うバリアフリー工事の拡大、省CO2等環境対策面から政策の拡大なども考えられる。日本も建物の省エネ性の重要性に気づき、積極的な省エネ性能追求策がとられれば、今後リフォーム市場は飛躍的に拡大する可能性がある。
実状的には、市場を活性化したい側の思惑と現場のズレが生じる可能性は否定できないが、業界は省エネリフォームの重要性について積極的に働きかけていくべきだろう。