厚生労働省が民泊の実態調査を公表。
- 不動産投資民泊
- 2017.03.05
約3割は無許可違法民泊、平均宿泊料9,971円
厚生労働省は3月1日、全国民泊実態調査の結果を公表した。2018年10~12月の間に民泊仲介サイトに登録されている情報を抽出し集計、全国1万5127件を調査した。その結果、半数以上の7998件では特定不可または調査中、確認が取れた7129件でも、旅館業法に基づく許可を得ていない『違法民泊』が4624件で30.6%を占めた。また大都市圏ほど無許可の割合が多いこともわかった。
1泊当たりの平均宿泊料は許可物件で16,571円、無許可物件が7,659円、全国平均で9,971円であった。
【調査概要】
(1)許可取得の状況
①許可 2,505件(16.5%)
営業種別内訳
・ 旅館営業 645件(25.7%)
・ ホテル営業 109件( 4.4%)
・ 簡易宿所営業 1,701件(67.9%)
・ 特区民泊 50件( 2.0%)
②無許可 4,624件(30.6%)
③物件特定不可・調査中等 7,998件(52.9%)
(2)地域別の許可取得状況
①大都市圏中心市(※)
・許可 150件( 1.8%)
・無許可 2,692件(32.8%)
・物件特定不可・調査中等 5,358件(65.3%)
※ 大都市圏中心市とは東京都特別区部及び政令指定市(総務省統計局)
②上記以外
・許可 2,355件(34.0%)
・無許可 1,932件(27.9%)
・物件特定不可・調査中等 2,640件(38.1%)
(3)無許可物件の物件タイプ
①共同住宅 2,508件(54.2%)
②戸建て住宅 1,659件(35.9%)
③その他 457件( 9.9%)
(4)一泊当たりの平均宿泊料
①許可物件 16,571円
②無許可物件 7,659円
③物件特定不可・調査中等 9,240円
全国平均 9,971円
(5)宿泊可能人数
①許可物件 6.3人
②無許可物件 4.2人
③物件特定不可・調査中等 4.6人
全国平均 4.8人
(6)最低宿泊日数
①許可物件 1.3泊
②無許可物件 2.0泊
③物件特定不可・調査中等 1.8泊
全国平均 1.8泊
調査結果の詳細は以下の通りだ。
○ 正確な住所が詳細に記載されている物件がほとんど無く、物件特定不可・調査中の割合が52.9%であり、物件の特定すら非常に困難であった。
確実に営業許可を取得していることが確認できた物件は(16.5%)にとどまった。
○ 許可物件の営業種別内訳では、旅館営業25.7%、ホテル営業4.4%、特区民泊2.0%、簡易宿所営業が67.9%となり、多くの物件が簡易宿所営業での許可を取得していた。
○ また、大都市圏においては、営業許可を取得している物件の割合が1.8%であることに対し、大都市圏以外は34.0%であり、都市部での許可取得割合の少なさが顕著であった。
○ 物件のタイプでは無許可物件の半数以上(54.2%)が共同住宅であり、戸建て住宅(35.9%)を大きく上回った。
○ 1泊当たりの平均宿泊料金は、許可物件では16,571円であるのに対し、無許可物件では7,659円であり、およそ半額以下での料金となっている。
○ 宿泊可能人数については、許可物件が6.3人であることに対し、無許可物件は4.2人、最低宿泊日数については、許可物件が1.3泊であることに対し、無許可物件では2.0泊であった。