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売却できずに失敗!?将来の売却リスクを考えた不動産投資を

  • 不動産投資
  • 2016.08.17

不動産投資で見落とされがちな「どう売却するか」

 

多くの不動産投資家が物件選びの際に利回り、キャッシュフローを判断基準にしていることだろう。近年の日本国内での不動産投資はインカムゲインを期待するものだ。インカムゲインを求める投資の場合、確かに利回りは一番わかりやすい判断基準になり。もちろんその利回りが実現できるのか「エリア」や「賃貸需要」などは意識しているはずだ。

 しかしその物件を手放したいと考えたときにどのように売却できるかを想定している不動産投資家は意外と少ないようだ。「物件が古くなり修繕費用もかさみキャッシュフローが悪化したが売ろうに売れず損を出し続ける」や「多額の損切をしてようやく売却できた」などのケースはよくあるのだ。

今融資がおりる物件も10年後20年後はわからない

不動産投資の魅力の一つに融資を使ったレバレッジ効果がある。少ない自己資金で大きなリターンを得られるのは大きなメリットだ。しかし、現在は融資を利用して購入した物件でも、10年後20年後の売却時に同じ条件で融資がつくことは考えづらい。
築年数が古くなれば耐用年数の残存期間は少なくなり融資期間も短くなる。中古物件を購入している場合は売却時には残存期間がなくなっていることもあるだろう。建物の状態や運用状況次第では土地価格でしか評価されなくなることも意識しておくべきだろう。
築年数の古い物件をその時組める最大限の融資を利用して購入し、数年後に売却しようとした時に、ローン評価が下りずに現金買いの客を見つけるしかないとう状況もあり得る。融資が使えない場合、買手が少なくなるため売却価格を下げざる得なくなるだろう。自身が購入した時のローン残債が残っている場合は損切しないといけない可能性もでてくるのだ。

高利回り、融資不可物件は買いか

情報サイトに掲載されている物件情報を見ていると、場所もよく築年も浅いのに相場よりもかなり高利回りの物件がでていることがある。これはいいと思い問い合わせてみると容積オーバーなどの既存不適格物件だったということがよくあるだろう。既存不適格物件は担保価値や市場価値に問題ありとして金融機関の融資が受けられないことがおおいため現金での売買にせざるを得ない。高額な一棟収益物件を現金購入できる客を見つけるのは非常に苦労するため価格を極端に下げることになる、そのため高利回り物件となるのだ。
このような物件は、現金で購入できる投資家からすると確かに買いだろう。既存不適格でも建物を利用することに問題はないし、賃貸需要のあるエリアであれば高利回りを確保したまま安定的に運用していける。しかし自分が売却することになった際に、同じように現金買いの客がすぐに見つかるとは限らない。高額物件であればなおさら現金での購入ハードルが上がるため売却には苦労するだろう。早期に売却をする事情がある場合、さらなる大幅な値引きをする必要もあるだろう。
 現況のキャッシュフローや利回りの良い物件を選ぶことは当然だが、将来の売却条件がどのようになるかを想定して物件を選ぶことは重要だ。将来の売却時期を想定しておき、その時にも融資が使えることで購入者の間口を広げられる流動性の高い物件を選ぶことが、最終的な不動産投資の成功の鍵を握る。