日本の不動産投資額は前年比11%減の3兆6,700億円
- 不動産投資
- 2017.02.03
2017年通年は前年比横ばいの3.7兆円程度と予測
総合不動産サービス大手のJLLは、日本の商業用不動産投資を分析したレポート「ジャパン・キャピタル・フロー 2016年第4四半期」を発行。それによると、日本の2016年通年の不動産投資額は、前年比11%減の3兆6,700億円となった。しかし、2016年第4四半期の投資額は、前年同期比25%増の8,830億円となり、2015年第4四半期以降前年同期比での投資額停滞傾向が続いていたが、今四半期の投資額は4四半期ぶりに前年同期比で2ケタ成長となっている。
レポートのハイライトは以下の通りだ。
2016年通年の海外投資家による投資額は5,300億円となり、前年同期比で41%減少した。また、海外投資家による投資額が全体投資額に占める割合は14%に低下した。物件の市場供給が限定的な状況を背景に、物件供給パイプラインを持たない海外投資家による新規の物件取得は難しい状況が年間を通して続いた。
2016年年間を通して成長著しい物流施設とインバウンド需要が好調なホテルに対する投資額が増加。2016年の物流施設に対する投資額は8,500億円となり、前年同期比で111%の大幅増加となった。一方、都心における物件供給が限定的となっているオフィスやリテールに対する投資額は前年比で減少となっている。
日本の商業用不動産投資額は、2015年に前年比で減少に転じ、2016年も2年連続で減少となった。国内外投資家による投資意欲は衰えていないものの、物件売却の動きが鈍い状況は2017年にかけても継続するものと思料される。JLLは2017年の日本国内商業用不動産投資額を前年比横ばいの3.7兆円程度と予測している。
JLLによると2017年にかけて低金利は継続することが予測されるため、国内不動産に対する投資需要は非常に高い状態が続く。ただし、現状を鑑みると売り物件の供給が大幅に増加するとは考えづらく、2017年の投資額は2016年と同程度になるものと予測している。